ハワイでは、ビーチ沿いや街中を自転車で爽快に駆け抜ける光景が日常的である。「バイク・パス」とよばれる自転車専用道路が、ハワイのいたるとろで整備されていることも理由のひとつである。また、レンタサイクルショップも多く、ツーリスト向けのバイク・パス・マップがあるほどだ。
特に、カウアイ島の東海岸方面のバイク・パス「ケ・アラ・ヘレ・マカラエ」は、サイクリング愛好家も集うクルージングポイント。2003年から着々と開通距離をのばしており、2017年には、ワイルア地区のリーゲートパークからココナッツマーケットプレイス間の4キロメートルにもおよぶ海沿いのコースが整備された。その後、カパア地区のリヒ・パークからアヒヒ・ポイント間の海岸線を走る7キロメートルコースが完成している。なかでも、カパア地区の7キロコースは、ビーチリゾートならでのハワイらしい風景を楽しめるバイク・パスだ。砂浜が延々と続く「ケアリア・ビーチ」や、ドンキー・ビーチの愛称で呼ばれている「クナ・ベイ」など、海沿いの美しい景観を堪能できる。
バイク・パス「ケ・アラ・ヘレ・マカラエ」のある東海岸ココナッツコーストのリゾートエリアでは、自転車のレンタルを行っているショップも多い。特に、カパアタウンには、自転車レンタルのお店がいくつもあるので、観光やショッピングついでに、気軽にサイクリングにチャレンジしてみるのもいいだろう。また、レンタカーを利用するツーリスト向けには、車のトランクラックをレンタルできるショップもある。自転車を車両に積んで散策しに行くのも一味違った旅の手段といえるだろう。
-
Column旅のワンポイントガイド
-
カパアの街側には、自転車を止めて立ち寄れるユニークなフードトラックやレストラン、シェイブアイス店、フレッシュジューススタンドなど、ローカルフードを楽しめるスポットも多い。クルージングでしっかりお腹を空かせて、ショップ巡りをするのもサイクリングならではの楽しみ方だ。
サイクリングにも色々な楽しみ方がある。
同じサイクリングでも、少しスリルを味わいたいなら、ワイメア渓谷の「バイシクル・ダウンヒル・ツアー」がある。渓谷の尾根に沿ったハイウェイを、ツアーガイドのリードで、標高1000メートルから風を切りながら下界へと駆け降りてくる。ツアーの見どころである、ダイナミックな渓谷や美しい海の眺望も、自転車を降りて忘れずに鑑賞しよう。
ハワイのバイク・パスは、サイクリングだけではなく、ジョギングやウォーキング、犬の散歩を楽しむローカルの姿も見かけることも多い。「バイク・パス=サイクリングコース」という概念ではなく、まさに地元にも溶け込んだ、誰もが気軽に利用できるアクティビティー施設といえるだろう。
ハワイを自転車で巡るというのは、行動範囲が広がり思わぬ発見や新たな出会いに恵まれるかもしれない。カウアイ島に訪れたら、手軽なレンタサイクルで、軽快にサイクリングを楽しんでみよう。