「ガーデン・アイランド」、カウアイ島の通称である。古代より長い年月をかけ形成された壮大な「ワイメア渓谷」。切り立った崖がひだのように続く独特の海岸線「ナパリ・コースト」。豊かな雨に育まれた緑濃い山々、そこに流れる美しい滝の数々・・・。その景観すべてが、自然によって作られた「ハワイの恵み」そのものといえるだろう。
ハワイで最も古い歴史をもつカウアイ島は、まさに、ガーデン・アイランドの名にふさわしい自然に関する見どころがいっぱいだ。全米から注目を浴びる景観スポットのほか、自然愛好家にはたまらない大規模な植物園や芸術的なガーデニングスポットが数多く点在している。なかでも名所の中の名所といわれるところをいくつかピックアップしてみた。
リマフリ・ガーデン
北海岸の奥、マカナの山から海へと広がる広大な敷地の一部を一般に公開している「リマフリ・ガーデン」。ハエナ地区の自然保護区に指定されたエリアだ。ハワイアン独自の自然に融合した生活システムである「アフプアア」を実践し、その価値と重要性を訪れるものに教えてくれる貴重な場所でもある。本当のハワイを感じながら、カウアイにのみ生息する希少な植物を見ることができるガーデンを探索しよう。
ナ・アイナ・カイ
同じく北海岸の始まりキラウエアにある東京ドーム約20個分におよぶ大庭園「ナ・アイナ・カイ」は、個人が切り開いたというから驚きだ。チークやマホガニーの美しい森林をはじめ、数多くの熱帯植物を鑑賞できるスポットとしても人気。敷地内のいたるところに展示されているアメリカ最大級のブロンズ像のコレクションは、それぞれのガーデニングにそったテーマを物語っている。
ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン
南海岸のラワイ渓谷には、世界36カ国語で発行されるナショナルジオグラフィック誌で「世界で訪れたい21の場所」として選出されたことのある「ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン」がある。ジュラシック・パークやパイレーツ・オブ・カリビアンなど数々のハリウッド映画の舞台で使われたことでも有名な「アレトン・ガーデン」と、ハワイの植物保護と研究で知られる「マクブライド・ガーデン」が隣り合わせに位置している。どちらもラワイの潮吹き岩の向かいにあるビジターセンターからマイクロバスに乗って、ラワイ渓谷の景観を眺めながらメインガーデンへと降りていくことになる。古くはハワイアンが暮らしたアフプアアの名所「ラワイ渓谷」。現代でも自然保護区域として、雑踏から離れたパラダイスを守り続けている。これだけの美しい自然環境ゆえに、ウミガメの産卵場所で知られているというのも納得だ。
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Column旅のワンポイントガイド
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カウアイ島では、このような希少なガーデンを気軽に観光できる多種多様なネイチャーツアーが常時催行されている。ガイド付きのツアーであれば、その土地の特徴や歴史、コンセプトなどを詳しく説明してくれるので、じっくり鑑賞したいなら現地ツアーを利用してみるのもおすすめだ。