リフエの町を走るライス・ストリート沿いに建つ、「カウアイ博物館」。溶岩とコンクリート、レンガからなる独特の建造物で、1979年にハワイ州の州立史跡のリストに追加。米国国立史跡に登録されている、歴史ある建造物の中にハワイ、カウアイ島の歴史や工芸品などが展示されている。
現在、博物館の建てものは、ウィルコックス館とライス館の2棟から成っている。もともとは1900年に、牧師モーティマー・リーゲイトによってリフエに設立された教会の一部で、ライブラリーとして活用されていたものが博物館の原型。設立後しばらくは、ビジネスマンで、政治家でもあったアルバルト・スペンサー・ウィルコックスの未亡人が資金調達のサポートをして、パブリック・ライブラリーとして開放していた。
1924年に、ウィルコックス未亡人の寄付金によって、建築家ハートウッド設計のもとライスストリートに建造された新しいライブラリーは、ウィルコックスに敬意を表して、「アルバート・スペンサー・ウィルコックス・メモリアル・ビルディング」と命名される。そして全ての蔵書は、この新しい「アルバート・スペンサー・ウィルコックス・メモリアル・ビルディング」に移行されることとなった。その後、ジュリエット・ライス・ウィックマンが筆頭となっての働きかけで、ライブラリー「ウィルコックス館」の隣に、ミュージアム「ライス館」を建立、1960年12月3日には正式に博物館として一般公開された。1969年にハワイ州政府が新しいライブラリーを建てたことで1970年、ライブラリーであったウィルコックス館とミュージアムのライス館を一つの建物として繋げていまの形の博物館になった。現在は、アメリカ名で「カウアイ・ミュージアム」と名づけられているが、いまでも旧館の入り口には、うっすらながら「アルバート・スペンサー・ウィルコックス・メモリアル・ビルディング」と彫られているのが見える。
古代ハワイの暮らしと当時のカウアイの文化的遺産を展示した「ウィルコックス館」と、カウアイ島の歴史を知る「ライス館」の2棟に別れており、ハワイ諸島の地層、歴史、古代ハワイ先住民の生活、アーティスト、彫刻家、職人のさまざまな作品を展示するギャラリーにもなっている。特にカウアイ島、ニイハウ島の職人の手による、すばらしい文化遺産コレクションでは、「本物」を見ることができる良い機会だ。また「The Story Of Kauai (カウアイの物語り)」という常設コーナーと並行して、臨時の展示も頻繁に開催される。
小規模ながら、古代ハワイから現代ハワイまでの、特にカウアイ島の歴史を解かりやすく展示した興味深い場所になっている。何と言っても、博物館になっている建てもの自体が、カウアイ島の歴史的建造物である。一度、足を運んでみる価値はある。
ハワイ諸島の中で、いつの時代も「独自の存在」とされて来たカウアイ島。
先祖の声から、カウアイ島の真の歴史を知る。
カウアイ島のユニークな歴史を知り、
カメハメハ王によって決して制服されなかった方法を発見する。
カウアイ島とカウアイ島の人々のアロハ・スピリットを発見する
とリーフレットに書かれている通り、ユニークなカウアイ島独自の歴史を知ることができるスポットである。
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Column旅のワンポイントガイド
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博物館の入り口を入ってすぐ右手奥にあるギフトショップには、本、地図、CD、その他の小物を揃えている。地形学的な地図を探している人、カウアイの歴史や文化について知りたい人にオススメなマイナーな資料本も見つけることができる穴場的ストアでもある。博物館に入館せずにギフトストアだけに入ることも可能なのが嬉しい。
Information
地図 | MAP |
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住所 | 4428 Rice St. Lihue HI 96766 |
営業 | 10:00~17:00(時期や行事により変更あり) |
休館日 | 日曜・祝祭日 |
入場料 | 一般$15/65歳以上$12/8~17歳$10/7歳以下無料(変更あり) |