カウアイ島の観光スポット

ケエ・ビーチ
Ke'e Beach

数々の伝説が残る岩壁に囲まれた島の終点にあるビーチ

カウアイ島ケエ・ビーチ

カウアイ島は車で一周できない島である。北の端で車道は終わる。そこからはナ・パリ・コーストとして知られる目を見張る独特な断崖絶壁が島の反対側、西の端まで連なっている。車道の終点になるのがハエナ国立公園内のケエ・ビーチだ。

車で行ける北の終点のビーチとして知られるケエ・ビーチは、幅広く茂ったサンゴ礁が保護されているラグーンになっている。島の中でも数少ない遊泳が楽しめるビーチとして、ファミリーや海遊びビギナーズにも人気が高い。とくにシュノーケリング愛好者には人気があり、透明度の高いブルーの海水の中で泳ぐ多種多様な魚たちのつくり出す幻想的な世界が楽しめる。また、たくさんのハワイアン・ホヌ(大型のハワイのウミガメ)が集まる場所でもある。夕焼けの時間に真っ赤に染まる空と海も、カウアイ島を代表する美しい光景のひとつだ。

Kee Beach
自然に囲まれた美しい景色で有名なKee Beach。シュノケーリングスポットとしても人気だ。

季節によって浜辺の砂の量が変化し、海の状態の変化が激しいのも特徴だ。夏には大量の砂がラグーンに入り、膝丈のプールを作る。波が穏やかな日にはリーフに囲まれたラグーンの外側に出ることも可能だが、潮の流れが強い場所なので、自分の判断力を過信しないで、入り口にいるライフ・ガードにその日の海の状態をよく聞いてから行動したいものだ。周辺にはトイレ、シャワーなどが完備されている。ライフガードは毎日朝7時~夕方5時まで常備待機している。

Column駐車場に注意

駐車場スペースはサイズが小さく、ナ・パリ・コーストのトレイルの入口にもなっているため、駐車は容易ではない。朝早くに行くのが一番だが、お昼以降に行く場合には、かなり手前に設置されている駐車場や、路上の駐車スペースを利用することになる。その場合は一度ケエ・ビーチまで行って、ドライバー以外の人を降ろして、駐車場所を見つけるのが懸命だろう。とくに小さな子供や年配者がいる場合は、その方法が最適だ。場合によっては駐車した場所からビーチまで、徒歩で10分以上の道のりを歩いて帰ることも予測していた方がいいだろう。

ケエ・ビーチ周辺のハワイ文化、歴史、伝説に触れる

海遊びに訪れる人が多いケエ・ビーチだが、この周辺は文化的歴史、考古学遺跡、またたくさんの伝説が遺る古代ハワイとの出会いの場でもある。

ロヒアウと3つの虹

崖絶壁が始まる手前の岩壁周辺にはいくつかの洞窟がある。その一つには、火の女神ペレの恋人で、カウアイ島のチーフでもあったロヒアウの遺体が置かれている洞窟があるとされている。ロヒアウは、ハワイ島にいる恋人、火の女神ペレへの恋しさがつのって死んでしまったが、それを知ったワヒネオマオという女性と、ペレの妹ヒイアカが崖をのぼり、ハーブとチャンティングで蘇生の儀式を行い、ロヒアウは命を取り戻したという。ロヒアウが命を取り戻した時、ケエ・ビーチに広がる海の上に3つの美しい虹が現れたそうだ。

Column旅のワンポイントガイド

北の海岸にかかった完璧なアーチを描く、3つの色鮮やかな虹。霧雨がよく降るケエ・ビーチではいまでもよく大きな虹が架かる風景を見ることができる。遮るものがない空にかかる完璧なアーチのダブル・レインボーを見ることも多い。

ポハク・ピコ(おへその石)

海岸線の近くには、深いミゾのある玄武岩の石があり、Kilioe (キリオエ/ハワイ語で小さな葉を持つネイティブのツタの木)と呼ばれている。生まれた子供の長寿と繁栄した人生を願って、へその緒を置く「Pohaku Piko(おへその石)」として使われたという。

ロヒアウとペレ、ヒイアカの恋

火の女神ペレとロヒアウのお話はハワイの伝説の中でもっとも有名なものの一つ。ある日、ハワイ島で安住の地を探していたペレが結婚相手を見つけるために、妹のヒイアカに眠りを覚ますチャンティングをするように言い放って、9日間の眠りについたそう。眠りの中でペレはカウアイ島を訪ね、ケエ・ビーチのあるこの地でチーフ・ロヒアウ(王子だったという説も強い)と出会い、恋に落ちた。9日間はあっと言う間に過ぎ、目を覚ましたペレは、妹たちにロヒアウを迎えに行き、ハワイ島に連れてくるようにと命じた。がしかし、嫉妬深く激しい姉の気性を知っている妹たちは役目を引き受けたがらず、最後に末の妹ヒイアカがその役目を命じられた。約束は90日以内にハワイ島に戻ること。次々と現れるさまざまな妖怪たちと戦いながら、やっとヒイアカがロヒアウと出会った時には、ペレに恋いこがれたロヒアウは亡くなっていた。儀式でロヒアウの命を蘇生したヒイアカは長い看病の末、健康になったロヒアウとハワイ島に帰るが、2人の帰りが遅いと怒り狂ったペレは,彼女の愛したレフアの森を焼き尽してしまった。

それを見たヒイアカはとても怒り、またペレの激しさを目の当たりにしたロヒアウの恋心も覚め、献身的に看病をしてくれたヒイアカに恋をしたそう。2人が恋し合う仲だと知ったペレは怒り狂い、2人を殺そうとしたが、その手をなんとかふりきって、カウアイ島のこの地へと逃げ帰り、ロヒアウの生まれ育ったケエ・ビーチの地で夫婦となってしあわせに暮らしたという。

ナウパカの伝説

ナウパカは白い花びらが半分しかないような花を咲かせる。Mauka (マウカ/山側)とMakai (マカイ/海側)の海辺に咲き、2つの花を合わせると一つの花びらに見える。

ハエナのケエ・ビーチにあった同じフラ・ハラウにいた青年ナナウと少女カパカ。いつの間にかお互いに愛し合う仲になっていた2人は、ハラウのカプ(タブー)をやぶって、2人で会っていた。それが周囲に見つかり、カプを破った罪を償うために、2人は死を選ばなければならなかった。追われる途中で、ナナウは山へ、カパカは海へと逃げたものの、追っ手につかまって殺されてしまった。2人が死んだあと、ナナウが死んだ山に半円の白い花が咲き、カパカが死んだ海にも同じ半円の白い花が咲いたという。海と山で半分ずつ咲いたその花に、いつか一つに結ばれたいと願っていたであろう2人の想いをくんで、2人の名前をとってナウパカという名前をこの花につけたのだそうだ。半円ずつの白い花を合わせると雨が降るといわれ、それは一緒になれた2人の喜びの涙だと言われている。

Information

地図 MAP
住所 Ke’e Beach Hanalei HI