キラウエア灯台の建つ岬の突端、この一帯は「キラウエア・ポイント」と呼ばれ、1985年より、国立野生動物保護区に指定されている。「海鳥の聖域」とも呼ばれ、海鳥や野鳥など渡り鳥の休息地になっている。ハワイのネイティブ海鳥のうちの7種の巣作り、生息の場ともなっている。また、ハワイアン・モンクシール(ハワイアン・アザラシ)、ザトウクジラ、ハシナガイルカが泳ぎ、野生生物を見られる数少ない開放された保護区でもある。1985年、保護区に指定されて以降、このエリアを保護するアクションが続けられている。1988年、生物たちの生息地を守る目的で、敷地内にビジターセンターが建てられた。1992年に島を襲ったハリケーン・イニキによって多大な被害を受けたが、その後、完全に修復。キラウエア・ポイント自然史協会によって運営され、野生動物保護区にいる鳥、原生植物、海洋動物などを紹介するさまざまな史料が展示され、知識豊かなボランティアスタッフが訪問者からの質問に答えたり、自然の中をハイキングするアドバイスなどを行っている。年間約30万人以上の来訪者を数える人気スポットである。
営業:火曜~土曜日10時~16時/入場料:$5~(寄付金)
キラウエア・ポイントと、その物語り。
この灯台のあるキラウエア・ポイントは、50万年前に噴火した旧火口の跡地である。現在、その名残りを全貌することはできないが、ルックアウトの東側にクレーター上の斜面があり、568フィートの崖を含むわずかな部分がその一部であったことが調査で明らかにされている。
キラウエアと言えば、一般的にハワイ島でいまも噴火を繰り返す、活火山で知られている。一方でカウアイ島のキラウエア・ポイントはいたって穏やか。国立野生動物保護区として、絶滅危機にある鳥やほ乳類が避難してくるような、動物たちにとっても安全と平和を提供している場所でもある。ハワイ語で「Kilauea (キラウエア)」とは、「噴出」と言う意味がある。もともとが火山の噴火で出来上がった場所だからだろうか。そして火山と言えば、ハワイの火の女神ペレ。火山噴火口の跡を残すこの一帯に伝わる物語りをヒモとくと、やはり火の女神ペレの物語りへと戻っていく・・・
火の女神ペレが、自分自身とカウアイに住む恋人のロヒアウにとっての安住の地を探していた旅の途中、住処にいい場所だと、キラウエアの岬で噴火を起こしたところ、妹のヒイアカ、姉でマウイ島に住む氷の女神ナマカオカハイが来て、噴火に水をかけ、ペレの計画を潰したそう。それをそばで見ていたカラマ、プア、ラヘラの3姉妹が、計画を台なしにされたペレをクスクスと笑ったところ、一瞬にして石に姿を変えられてしまったのだとか。以前この場所には、この言い伝えにつながる3つの石があったが、サトウキビ・プランテーション時代に取り除かれてしまい、いまは伝説だけが残っている。別の伝説では、キラウエアで出会った美しい3姉妹に魅了された恋人ロヒアウに怒ったペレが、姉妹たちを石に変えてしまったというものもある。
沖合いの島、モクアエアエ
岬の沖合いすぐのところにある小さな島、モクアエアエにはメネフネ伝説が残っている。小さな岩島「Moku’ae’ae」、モクアエアエはハワイ語で「小さな島」「繊細な島」。また「上昇する潮の中に泡立つ断片」という意味。三分の一エーカー、標高30メートルのこの小さな島は、野生動物の避難場所の一部となっている。
ある時、周辺を探検していたメネフネたちが、この小さな島とキラウエア岬の突端を石の橋でつなごうとしたそうだ。メネフネといえば、辺りが暗くなってから、太陽が上がるまでの間、誰にも姿を見られない時間に大きな自然建造物を造る小人族で知られている。ところが島と岬をつなぐプロジェクトは、日の出までに出来上がらなかった。一晩で完成しないプロジェクトはそのまま放棄するという習慣通り、メネフネたちは橋を渡さずにその場を去ったとされている。
Information
地図 | MAP |
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住所 | 3580 Kilauea Rd Kilauea HI 96754 |
公式HP | http://www.kilaueapoint.org |