マクブライド・ガーデンは、カウアイ島の南海岸ラワイ渓谷にある「ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(NTBG)」が管理、運営している大規模な熱帯植物園。ハワイの固有種や世界中の熱帯植物の研究と保護を目的としている。その敷地面積は、約200エーカー(約80ヘクタール)にもおよぶ。海側の渓谷にある「アラートン・ガーデン(Allerton Garden)」と隣接している。
マクブライド・ガーデンの歴史背景
アラートン・ガーデンの生みの親であり、NTBGの父と言われるロバート・アラートンの働きかけで、1964年、パシフィック・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(後のナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン)が国定の団体として設立された。ロバート・アラートンは、これを機に新たな植物園の場所を探し始めることになる。 1970年、海側のアラートン・ガーデンに加えて、山側のサトウキビ畑と火山石質の崖に囲まれた約171エーカー(約69ヘクタール)の土地を購入。当初、世界中の植物園をはじめ研究者や植物コレクターから希少価値の高い数々の植物が寄付され「ラワイ庭園」として開園に至る。間もなく、団体の主旨である研究と保護のプログラムに加え、インターンシップなどの教育活動が始まったと言われている。
1992年、カウアイ島を直撃した大型ハリケーンによって破壊的ダメージを受け3年間の休園に追い込まれるが、多くの支援と植物たちの奇跡的な復活により、2000年には土地の前オーナーであったアレキサンダー・マクブライドに敬意を評して「マクブライド・ガーデン(McBryde Garden)」に改名された。2005年、最先端の保全園芸センターの建設により、施設自体が大幅に改善され、現在に至るガーデンが完成した。
マクブライド・ガーデンの見どころ
マクブライド・ガーデンは、ハワイ固有種と希少な熱帯植物の研究と保護を目的としている。いわゆる美しいだけの熱帯植物園とは異なる趣だ。渓谷というユニークな土地柄ということもあり、一般のランドスケープガーデンでは味わえない独特な自然感を与えてくれる。ガーデンは、渓谷の中央に流れるラワイ渓流を中心に、それぞれのセクションを巡るやさしいトレイルで構成されている。ハワイ固有種の植物を集めた森、スパイス植物の森、ヤシの道には、ヘリコニアや蘭などの熱帯特有の花々が見事に咲いている。初期のハワイアンが航海で島に入ってきた際に持ち込んだと言われる生活に必要な27種類の植物を集めたエリアには、復元されたハワイアンの住居を見ることができる。特に子供達に人気があるのが植物の進化を現したトンネルだ。植物がいかに地球にとって大切な存在であるかを学ぶことができる。教育熱心なマクブライドらしい施設でもある。
マクブライド・ガーデンを巡るツアー
マクブライド・ガーデンは、基本的にフリーツアーだ。入場の手続きは、NTBGのサウスショア・ビジターセンターで行う。ビジターセンターとマクブライド・ガーデン間を結ぶシャトルバスを利用して、時間に縛られることなく自由気ままに散策できる。自然の中で楽しく学べる植物園は、子供連れのファミリーにもぴったりだ。また、ガーデンでの映画観賞、ラワイ渓谷マラソン、各種コンサートなど1年を通して様々なイベントを開催しており、一般にも広く公開されている。
Information
地図 | MAP |
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住所 | 4425 Lawai Beach Road Koloa HI 96756 |
開園日 | 年中無休 |
ツアー | 9:00~15:00(1時間毎)/所要時間 1時間以上 |
料金目安 | 大人 $30/子供(6歳~12歳)$15/5歳以下無料 |
公式HP | https://ntbg.org |