リフエを起点に西へと伸びるカウムアリイ・ハイウエイ(50号線)から、南海岸へ向かうマヌヒア・ロード(520号線)を下ると、やがてT字路にぶつかる。そこにある小さなお店が並んでいる一画がコロア・タウン。歴史ある古い町並みが大きなダメージを受けたのが、1982年にカウアイ島を襲ったハリケーン、イワ。その復興を機に、1950年代の町並みを再現して、現在の「オールド・コロア・タウン」が出来上がった。メイン・ストリートは200メートルほど。その背後は、コロアの町の軌跡を写真と文章で紹介する「歴史センター」になっている。ホロホロ(ハワイ語で散策)するのにちょうどいい規模。昔懐かしい、1950年代のハワイのアメリカン・スタイルな外観を持つお店が並び、昔の時代を思わせる郵便ポストなどが配置される、フォトジェニックなスポットである。
50年代風の建てものの中には、さまざまなお店が入っている。その中で「スエオカ・ストア」はコロア・タウンとともに歴史を歩んで来た最後のお店である。また旧オールド・コロア・ホテルを改装したお店など、街並みはノスタルジックな雰囲気に包まれている。ハワイでは有名な「クレイジー・シャツ」コロア店の横に立つのが、ひときわ目を引くモンキー・ポッドの大木。1925年に植えられ、コロアの町の時代の移り変わりを見て来た特別な存在である。サウスショアに行く際には、ぜひ立ち寄りたい町である。
コロアといえば、このオールド・コロア・タウン周辺だけを思い起こす人が多いのだが、実はコロア地区はサウスショアでも、非常に大きな地域を占めている。たとえば、人気が高く、島の一大リゾート地ポイプもコロア地区の一部になる。
コロアは、サトウキビ・プランテーションで時代を築いた町。カメハメハ3世から土地を借りていたラッド&カンパニー(Ladd & Co. )がサトウキビ農園をスタート。ハワイ諸島でも最初の大規模商業生産になった。そして、コロアはサトウキビの町として大いに栄え、その名はハワイ諸島全体に広がったそうだ。1835年に始まり、1948年にグローブ・ファームの一部として吸収合併されている。そういう歴史から、カウアイ島における製糖の歴史を知るのに役立つ史料が残る町でもある。
このオールド・コロア・タウンの道向かいに興味深い一画がある。150年前に建てられた古い製糖工場の面影が残っている場所だ。煙突跡が遺り、すぐそばにはサトウキビ・プランテーションで働いていた労働者に捧げられたモニュメントがある。当時、サトウキビ・プランテーションで働いていた7人の労働者のブロンズ像があり、その顔つき、作業着はそれぞれ異なる。これは、ハワイアン、日本人、中国人、ポルトガル人、プエルトリコ人、韓国人、フィリピン人の労働者を彫ったもの。近代ハワイを形成するのはこの7カ国からの移民の子孫だと言われ、時にハワイの虹を成す7色だと言われている。(現在はさらにさらに多くの国からの移民が増え、この7カ国説は変わりつつある)
Information
地図 | MAP |
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住所 | Koloa Rd. Koloa HI 96756 |